一昨日の「天声人語」に面白い記事が載っていました。
むかしむかし、あるところに抜け道を通るのが大好きなセンセイがおりました。仲良しなのは、76年前に生まれた政治資金規正法くんです。何度改められても「政治とカネ」の問題が絶えないので「ザル」と呼ばれています。それでもセンセイは気にせず、付き合いを続けていました。
▶ある日、センセイは山で盛大なパーティーを開きました。たくさんの人がパーティー券を買ってくれたので、「ノルマを超えた分は私のものだ」と大喜び。「やっぱり、偉くなるには、カネを集める力がいるさ」と得意そうでした。
▶ところが、「パー券で裏金作りをしているのではないか」と村で大騒ぎになりました。問い詰められたセンセイは「法に基づき適正に対処している」としか答えません。雲行きが怪しくなってくると「捜査中なので返答は控える」と逃げ出す始末でした。
▶村には「5人衆」と呼ばれる実力者たちもおりました。同じ疑惑で調べられましたが、彼らもザルとは腐れ縁。その性格も弱みもよく知っていました。巧みにかわし、おとがめなしで済みました。
▶さあ、納得がいかないのは村人たちです。「線引きが3千万円なんて、高すぎる」「ザルに大きな穴が開いている」と不満を口にしました。「確定申告するのがむなしくなるなあ」と嘆く人もいました。
▶結局、問題の根っこは規正法だとみんなが思いました。センセイたちは改正を急ぐそうですが、ザルを変えられるかは疑問です。めでたし、めでたし、でも終わりそうもありません。
▶追記:仲間の九州のセンセイは問い詰められると、開き直って説明責任もせず啖呵(たんか)を切っていました。あきれ返ってしまいました。