カードゲームのために、家のお金を持ち出した小5男子

小学校5年生の息子を持つ母親です。先日息子の部屋から、買い与えた覚えのないカードゲームが大量に出てきました。うちはお小遣い制ではなく、欲しいものがあるときは、その都度お金を渡しています。

息子に問いただしたところ、「学校で流行っていて、持っていたら仲間に入れてもらえる」「レアなカードを出して自慢したかった」と言い、家に保管していたお金を盗ったことを認めました。

息子はおとなしく聞き分けの良い子で問題を起こした事はありませんでした。4年生までは友達とサッカーやドッチボールばかりしていて、カードゲームなんて興味がなさそうだったので、今回の事は予想外の出来事でとてもショックです。

息子さんの突然の問題行動に、とても驚かれたことと思います。お金を持ち出してしまった心理的背景と、同じことを繰り返させないための対応策を一緒に考えてみます。

行動の裏にあるものに目を向ける。

息子さん曰く「カードゲームを持っていれば仲間に入れてもらえると思った」とのことですが、新しいクラスで友達作りに悩んでいるのかもしれません。同じ小学生でも学年が上がるにつれて、友達との付き合い方は変わってきます。これまでは遊んでいるうちに、自然と友達ができたのに、クラス替えで仲の良い友達と離れてしまった途端、どうやって新たな人間関係を気づけば良いのかわからず、戸惑うお子さんはたくさんいます。

息子さんにとってカードゲームは学校で注目を集め、友達を作るための手段だったのではないでしょうか。まずは息子さん自身からこういった事情を確認したいところです。

また、自己主張が控えめなお子さんほどストレスや悩みがあっても、言い出せず、周囲は気づきにくいと思います。夕食の時間など「今日は学校どうだった?」などと話ししてみてください。親御さんが自分のことを気にかけているとわかるだけで、息子さんは自分の気持ちを話しやすくなるはずです。

これから問題行動を起こさせないためにできること。

息子さん事情が理解できると、親として支援できることが見えてきます。もし友達関係で悩んでいることがわかったら、担任の先生に連絡して目配りをしてもらう、友達とのやりとりの仕方についてアドバイスをする、などができます。

また、お金を持ち出さない、さらに持ち出さなくて良い環境を作ることが大切です。

ご自宅では、鍵のかかる金庫などを利用して、現金やカードを管理するようにしてみてください。一般的な防犯の観点からもお勧めです。

そして、これを機に小遣い制を導入するのも良いと思います。
手持ちのお金の中から自分が欲しいものについてやりくりし、ときには我慢することの訓練にもなるので、検討されてみてはいかがでしょうか。最初はうまくいかないこともあるので、親御さんと一緒にお小遣い帳をつけると良いですね。

終わりに

お金の持ち出しの背景には、様々な事情が隠れていることがあります。少年センターでは、息子さん真に必要とするものを適切な手段で得られるようになるにはどうすれば良いか、一緒に考えていくことができます。ご家庭だけでの対応が難しいと感じた際には、ぜひ少年センターにご相談ください。(家庭と防犯 2025/6月号より)