口腔がんとは、口腔(口の中)にできる悪性腫瘍です。
口腔でも、
・舌・上下の歯肉(歯ぐき)
・頬粘膜(きょうねんまく・頬の内側)
・硬口蓋(こうこうがい・口の中の天井部分の硬いところ)
・口腔底(こうくうてい・舌と下側の歯肉の間)
にできます。
口腔がんは、目に見えるところにできるので、セルフチェックが大切といわれていますが、一般の方にとって、お口の中の些細な変化を見つけることは、そう簡単なことではないと思います。しかし、口腔がんは、一旦発生すると急速に進行するがんです。
発見が遅れると手術で舌や顎を大きく切除することとなり、たとえ命が助かっても、話すことや食べることに障害が残り、顎の一部を失うことで、顔の形まで変わってしまうという大変な結果となります。
症状
口腔がんでは、がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりします。口の中にしこりができる、口内炎がなかなか治らないなどの症状があらわれることもあります。
歯肉にがんができたときには、歯を支える組織にがんが浸潤(しんじゅん・周囲に染み出るように広がっていくこと)し、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりすることがあります。
進行したときの症状としては、
・粘膜のただれ
・痛みや出血がある
・口が開けにくい
・食事が飲み込みにくい
・話しにくい などがあります。
首のリンパ節に転移したときには、しこりに気付くこともあります。
口の中に違和感があると感じたときには、鏡で口の中を確認してみましょう。
気になる症状があるときは、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科、頭頸部外科(とうけいぶげか)など口腔がんの診療を行っている医療機関を早めに受診することが大切です。
口腔がんの早期発見のために、最低でも年1回の口腔ガン健診を受けましょう。