民泊を調べました

最近、町で外国の旅行者を見かけることが増えてきました。インバウンドで、多くの方が日本を訪れてきます。ありがたい反面、トラブルの相談も増えています。

民泊を利用する旅行者には節度ある民泊の利用を、また民泊事業者の方には法律を遵守した運営をお願いしたいものです。

1、そもそも民泊を推進する目的は?

外国人観光客は年々増加しており、それに応じて宿泊施設の需要も高まっています。地域や時季によっては、既存の宿泊施設だけでは需要に追いつかず、泊まりたいときに空室がないという事態が頻繁に起こっています。

せっかく観光に来てくれるのだから、不足している地域の宿泊施設を増やせばいいのでは?と思われるかもしれません。
しかし、宿泊施設の建設費等の初期費用を回収するには10年程度かかることもあるため、長期的な需要が見込めなければ、新たに宿泊施設を開業することは難しいでしょう。

この点、民泊ならば既にある住居を利用すればいいので、初期費用を気にせず需要に応じて開業することができます。

2、なぜ新法が必要になったのか

民泊は大きな経済効果を期待されていますが、反面、騒音や衛生悪化などの問題も生じており、地域住民とトラブルのケースもあります。
このようなトラブルを防止するため、民泊用のルールとして新たに定められたのが「住宅宿泊事業法」です。

これまで民泊について特別に規律した法律は存在せず、ホテルや旅館について定める「旅館業法」の適用を受けていました。
しかし、ホテルや旅館と同等の基準を満たすのはハードルが高く、普及の妨げとなっただけでなく、必要な手続きを行わない「闇民泊」が増える要因にもなりました。

このような状況で、一般住宅の空き部屋が民泊として提供されることを推進するために定められたのが「住宅宿泊事業法」です。緩やかな要件で民泊事業を営むことができるようになっています。

正規の民泊が増えれば自然と「闇」は減りますし、仲介サービス業者も「住宅宿泊仲介業者」として登録する義務が生じて管理を徹底する必要が生まれるなど、結果的に「闇民泊」を抑止できる制度となっています。

3、こんな民泊は違法!?

一般の方が空き室を利用して民泊を行う場合、違法となる可能性があるのは次のようなものです。

1)自治体への届出を行っていない
2)営業日数制限(年間180日まで)を超えている
3)台所、浴室、トイレ、洗面設備等がない
4)人が住んでいない、かつ、入居者の募集もしていない
5)床面積に応じた宿泊者制限を超えている

6)衛生確保に必要な措置を講じていない
7)非常用照明器具の設置、避難経路の表示など安全確保に必要な措置を講じていない
8)設備の使用方法や交通手段について外国語で案内・情報提供を行っていない
9)宿泊者名簿を備え付けていない
10)周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項を宿泊者に説明していない
11)民泊であることを示す標識を掲げていない

  • 自治体(墨田区)への届出を行うと、届出施設には、個別の届出番号が付番され、施設入口に標識が設置されています。

4、民泊の適切な利用のために

違法な「闇民泊」は後を絶たないと考えられます。

「闇民泊」が問題なのは、単なる無許可営業というにとどまらず、
●衛生環境が整備されておらず感染症にかかってしまったり、
●適切に管理されていない状況が近隣住民とトラブルに発展する
可能性がある点です。

5、これから予約する民泊について知りたい

これから予約・利用しようとしている民泊について知りたい場合には、「民泊ポリス」というウェブサイトが民泊の住所地や苦情情報を掲載しているので、心配な方は確認してみてください。

https://minpaku-police.com/

6、違法民泊の通報先はどこですか?
  • 国のコールセンター 平成30年6月15日以降、民泊に対する通報について、民泊制度コールセンター(0570-041-389)で受付を行っています。平日9時から18時まで

7、違法民泊の罰則・規制強化について

https://minpaku.yokozeki.net/mukyokaminpaku-bassoku/

旅館業法は約70年前に作られた法律で、無許可営業に対する罰金額の上限も当初の3万円のままでした。

今回の罰金の上限の引き上げや無許可営業者への立入権限の付与などの改正をおこなうことで、違法民泊に対する取締りも一層強化されることと思います。

とくに無許可民泊に対しては、上限が100万円という罰金になりますので、今後の違法民泊に対する大きな抑止力となるのではないかと思います。